2014/02/26

水漏れウォシュレットの修理…というか改造

水漏れウォシュレットの修理をしました。
TOTO製、機種はTCF837という十数年前のものです。

昨年後半くらいから、ときどきトイレの床が濡れてる時があり、原因を探すべく、
便器や床に水性フェルトペンで線を引き、漏水元のチェックをしてました。
その結果、どうやらウォシュレットの内部から水漏れがあり、タンクを伝って垂れているのが発覚。

 しばらくはペットボトルを半分に切ったものを漏水受けにしてごまかしてましたが、たまった水を捨てる間隔が次第に短くなってきたので、いよいよ手をつけることにしました。

まずはよく掃除してから(顔や手を近づけますから…)、分岐栓を閉めてウォシュレットを分解。

漏れてる場所(電磁弁)は早々に見つかったのですが、
ここの修理はネット上の先達の記事を見ると、一筋縄ではいかないようです。
右の金属部品は電磁弁のコイル部分。ねじ止めした金属板の下から漏水していた。

通常時、柔軟なゴムのピストンがばねで下に押し付けられ、水の通路を閉じています。
動作時はばね下の金属片が電磁石で引き上げられることで、水が流れるようです。
プラスチック部分には下面から上面へ微細な通路が開いています。動作時の圧を逃がすのかな、と思いましたがはっきりしません。
電磁弁のピストン本体。右の部品が上下して通水する。

電磁石のユニットとピストン部分とのあいだは防水シールされておらず、ゴムピストンとシリンダの接触で水を漏らさないようにしています。
しかしこういうゴムシールは曲者で、ちょっとした劣化、ちょっとした磨耗が漏れにつながります。

ですので修理するには新品パーツに交換、が基本。でもこのパーツ、どうやら単体では手に入らないようです。(未確認)
最近の機種であればメーカーに依頼しての修理も可能なようですが、これだけ古いと保守部品の
在庫も望み薄、まずはダメもとで修理を試みます。

何度か分解、組立てを繰り返してふたの部分に水道のシールテープを巻いてテストしてみましたが、本来密閉しない部分の負圧?がゴム部分の動作を阻害するのか、
完全に閉にならずにノズルからぽたぽた水が垂れたり、時には水圧に負けて前と同じようにタンク下に漏ったりと、漏水をとめることは出来ませんでした。
弥縫策として弁の下にPPシート(クリアファイルを切ったもの)をもぐりこませ、漏水が便器内に落ちるように流路を作っておきました。
シールテープを巻いてみた

 ここで諦めるのもちょいと癪なので、力業にでることにしました。
内蔵の水漏れ電磁弁の修理を諦め、上流側に汎用の電磁弁を増設することにします。
もとの弁と同様にON・OFFさせれば、内蔵の電磁弁の部分で常時水圧を受けることはなくなるので、水漏れもほぼなくなる(軽減される)はずです。


これが入手した電磁弁。内蔵のものがDC動作なのに対し、定格AC100V動作のものです。駆動電流も幾分大きめなので、リレーを介して動作させます。サイズが大きいのと、接続方法がねじ込みなので内蔵はせず、分岐配管の途中に割り込ませることにします。

直動式2ポート電磁弁 (CKD製)ねじはPT1/4。


部品を準備し、組み付け位置の検討、水漏れがないかのチェックを繰り返します。
水周りの配管はインチ系の規格が混在していてネジのピッチも特殊だったり、ネットで資料を漁りながらも、結局は現物あわせで進めます。
ここの袋ナットが謎サイズだった

今回は分岐栓の袋ナットがなかなかネジが合わず、適合するニップルを探すうちに余計な部品在庫を増やしてしまいました。
結局PF1/4のパイプダイスを入手、万力でダイスを締め付けて小さめのネジ径にニップルを切りなおすことで嵌るようになりましたが、12.6mmという半端なサイズなので本来の規格は不明です。(1/2インチ径の規格があるんでしょうか?)
本来の径 13.1mmを12.6mmまで、現物あわせしながら少しずつ切りなおした。
部品も揃い、いよいよ改造開始。
本体内の電磁弁はゴムピストンを取り外し、つつぬけにしてしまいます。
ゴム板を切り出し、漏水防止のパッキンを作って締め付け。

ゴムシートを切り取って
ぺたり。

本体内にリレーを仕込み、外付けした電磁弁の制御をします。
ウォシュレットの漏電ブレーカーを活かすため、内部からAC100Vを取り出します。

もともとの電磁弁はDC85V動作だったので、リレーを挟む。100V系にはヒューズも追加。

交流100Vの配線を外に引き回すことになりますので、
ちゃんと対策しないと、ショート、漏電はもちろん、感電の危険もあります。

自分なりに気をつけて加工したつもりですが、すべての可能性を検証したとは言い切れません。
水まわりでの感電は100Vといえど重大な事故につながりますので安易な改造は(本来は)慎むべきです。
水がかからないよう、伝わらないよう養生した上でリレーを設置。

無事組み付け終了、改造部分からの水漏れもなく、いちおう正常動作するようになりました。
外付けの電磁弁が動作のたびに大きい音をたてますが、そのうち慣れるでしょう。
改造部分からの水漏れはないか、しばらくは様子見です。
通水して最終チェック


今回一番大変だったのは、水道関係の配管の規格に慣れていなかったこと。
ねじが並行ねじだったりテーパ―だったり、袋ナットとパイプねじにノギスをあててみたり、
ネジのピッチがインチかミリかで悩んだりと、いろいろ勉強にはなりました。
現物確認のため余計にパーツを買い込んだり、分解、チェック、部品とりよせ、また分解と間をあけながらふた月くらい試行錯誤してました。

ようやく漏水なく使えるようになりましたが、古いのでそろそろ買い換えても…という意見もあったので、あんまり喜ばれてないかもしれません。

かかった費用は電磁弁、パイプニップル、ガスケット、ダイス、リレーなどで6000円くらい。
でも規格が合わずにほかにも余計な部品を買ったりしています。
もとが取れたかどうかは微妙ですが、水まわり修理のスキルが上がったので良いことにしましょう。

(Washlet ウォシュレットGαTCF837 電磁弁 水漏れ 修理 AB31-02-3-AC100V )

(追記)ふたたび故障発生。修理しました。
http://dailyrestore.blogspot.com/2016/01/blog-post.html

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